小児科看護婦暦ウン十年のおばさん看護婦・のぶちゃんがお届けする、ほのぼの癒し系(?)コーナーです。
子どもの健康のこと、病気のこと、子育てのことなど、日頃思ったこと感じたことを気ままに書かせていただきます。
●今は看護師というのが正式名称ですが、何だか堅いイメージがあるので、なじみのある従来の「看護婦」という呼称を使わせていただきます。
■のぶちゃんです、よろしく 
■お母さんだって甘えてもいいじゃない!
■小児科受診の秘訣は、親の『ちょっとひと呼吸』です
■母と子のコミュニケーションで一番大切なことは?
■子育てのあんなこと、こんなこと、気軽におしゃべりしませんか?
■小児科のスタッフが風邪をひかないワケ
■いったい誰に相談したらいいのでしょう。
泣かずに注射を受けられたKくんに、拍手!
●小児科受診の秘訣は、親の『ちょっとひと呼吸』です
 小さいお子さんをおもちの方なら経験があると思いますが、子育てをしていると、ついつい親が先回りしてしまうことって、ありますよね。
 テレビを見たりおもちゃで遊んだりで一向に外出のしたくをしない。遊んだおもちゃは片付けない。「食べ終わった食器は自分で下げる」「脱いだ服は洗濯カゴへ」などと約束事を決めても、なかなか守ってくれない…。そんなとき、ここでガミガミ叱って余計にストレスを抱え込むよりは、自分でやってしまった方がイライラも少ないし時間もかからなくて済む、と考えてしまうんですよね。
 かくいう私自身も、子どもが小さいころは同じようにしていましたから、偉そうなことは言えません。ただ、日々小児医療の現場に携わっていて、ちょっと気になることがあるのです。それは、診察のとき、子どもが口を開く前にお母さんが答えてしまうことです。
 診察の際、患者さん(子ども)は院長の正面に座ります。そして院長は子どもの目を見て「今日はどうしたのかな?」と聞くのですが、子どもが何か言う前に「夕べから38度近い熱が出て、今朝になっても下がらないんです。食欲も普段より落ちてますし、おなかも痛いようなんです」などと詳しく説明してくださる方がいらっしゃいます。身近で接しているお母さんの情報はもちろん大事ですが、まずは子ども自身の口から症状を聞くことが、何よりも大切なのです。それに「子どもの目を見て」聞くというのは、顔色や表情、元気があるかどうかなどを見極める重要な診察なのです。
 お母さんとしては、子どもはまだ症状を正確に表現する言葉をもっていないだろうという気持ちがあるのかもしれません。あるいは子どもが要領を得ない受け答えをすることで診察時間が延びてしまっては申し訳ない、と気を遣ってくださるのかもしれません。
 でも、子どもだってちゃんと自分の状態を表現することはできるのです。例えばおなかが痛いとき、「きりきり」「シクシク」「灼けるような」などと痛みの具合や程度を言葉で言えなくてもいいのです。院長がこぶしを握って「このくらい痛い?」、今度は開いて「それともこのくらい痛い?」と聞けば、子どもはちゃんと「このくらい」と答えてくれます。
 ほかにも「さっきまではすごく痛かったけど、今はちょっと痛い」、「朝ごはんはちゃんと食べたけど、あとで少し気持ち悪くなった」など、本人の口から聞く情報はとても重要で、結果的に子どもが回復するための一番の近道なのです。それに、お母さんが心配のあまりあれもこれもと訴えてしまうと、かえって本当の病気が見極められなくなることもあります。
 今度もしお子さんが小児科にかかることがあったら、どうか少しだけ、お子さん自身が話すまで待ってあげてください。そしてお子さんと先生のやりとりを見守ってください。きっとお母さんが思っている以上に、ちゃんとお話しできると思いますよ!