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| ●がん告知76%が希望 平成12年10月23日 朝日新聞朝刊 |
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朝日新聞の全国世論調査。自分ががんにかかったら「知らせてほしい」が 76%で、前回調査(1989年3月)の59%から増えた。家族のがんを「本人に知らせる」が37%で、前回の約2倍という結果。
ボクは前に勤務していた病院で、小児がんを専門に診ていました。退職する平成6年の頃には、こども自身に病気の告知をすることが基本方針になっていました。もちろんそれまでの長い間、日本の通例通り、告知をしない、病気の話をしないことが当たり前で、告知がようやく緒についた時期でしたね。当時はまだマイナーな立場だったと思います。いま、告知について、医学界の主流の考え方がどこにあるのか知りませんし、現場でどの程度告知されているのか、データの持ち合わせはありません。自分の経験から言えることは、医者も告知をするのにかなりの覚悟が必要だということです。告知というのは、ただ単に病名を告げる、病気の説明をするというだけではありません。ある意味で、その後の患者の全人生をしょいこむことになるのです。ボクもはじめて告知したときは、それこそ、ドキドキ、バクバクものでした。
病名を知っている患者に、大丈夫だよ、すぐによくなるよ、がんばれ、の通り一遍の励ましは通用しません。精神的なケアがそれまで以上に要求されます。それが可能なサポート体制が整っていないところでは、言いっ放しになってしまう危険性があります。告知率を上げることが課題ではなく、ケアに熟練した人員の確保などのソフト面の充実が求められます。日本ではソフトの面はなかなかお金にならないので、たとえばカウンセラーを配備するというようなことも、なかなかむずかしいのではないでしょうか。
がんが必ずしも不治の病ではなくなったとは言っても、「死」と隣り合わせの病気であることに変わりはありません。患者の心痛が大きいことは当然ですが、あまり話題にされない医療者のストレスも、かなりなものなのです。医療者の心のケアも大切です。
調査結果を見て気になるのは、自分は告知してほしいけど家族には知らせない、という人があいかわらず多いことです。医者からはじめに病気の説明を聞くのは、たぶん多くの場合、本人ではなく家族であり、その家族が本人には内密にと言えば、いくら本人が望んでいても告知は成立しません。 |
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