●「子供の予防接種BCGは効かない」 
週刊ポスト2000年10月20日号

恐ろしい記事です。 ほんとうでしょうか。

 ボクは小学校の校医をやってるので、ツ反とBCG接種、毎年数が多くてたいへんなんです。今年はツ反を200人くらいやりました。 で、小学生での問題は、ツ反が陰性の児童がものすごく多いということなんです。正確なデータではありませんが、1年生の3割から4割は陰性じゃないでしょうか(ということはこれらの児童がBCG接種の対象になる)。ツ反陰性の一つの理由は、乳児期にやったBCGの押し方が不十分だったことにあると言われています。要するに、押し方が弱くて跡もつかなかったというわけです。ちなみに、1年生でBCGをやると、翌年、2年生の時にはほぼ100%陽性になります。ツ反が陰性であることが、即、結核に対する免疫がないということにはならないのですが、個人的には赤ちゃんの時にやったBCGがほんとに効いてるのだろうかという疑問もあります。
 ここ数年、マスコミを通じて、結核が増えている、どこそこの病院で集団感染があったなどというニュースがたびたび流れます。そういう時期には、お母さん方はちょっとセキが続くとすぐ結核を心配されるので、前に勤めていた静岡県立こども病院の感染科の先生に実態をうかがったことがあります。こども病院で見る限り、こどもの結核が増えている印象はないとおっしゃっていました。

 記事にもありますが、小学校のBCGを廃止しようとする動きもあるようで、不必要であるなら、早急に廃止してほしいと思います。いたずらにこどもの皮膚に傷跡を残すだけですから。必要ならもちろん続けるべきです。厚生省はこの記事に対して、公式な見解を表明してほしいものですね。

 予防接種を推進している小児科医としては、これは大問題です。専門家にも当たって、この問題、深く掘り下げたいと思います。まとまったら報告します。


追記 平成13年3月10日

 感染の専門家の意見では、BCGはこどもの粟粒結核や結核性髄膜炎には十分な予防効果がある、肺結核に対しては50%くらいの効果であるとのことです。詳しくはこちらへ。