|
Hib(ひぶ)とはインフルエンザ菌b型(Haemopyilus Influenzae Type b:ヘモフィルス・インフルエンザ・タイプb)の略語です。細菌の一種であるインフルエンザ菌にはいくつかの種類があって、その中の一つの型です。このtype bと名付けられた菌は、インフルエンザ菌の中でも細菌性髄膜炎をはじめ、喉頭蓋炎、肺炎、関節炎などの重症感染症を起こすことで知られています。
こどもの髄膜炎の半分以上はHibによるもので、わが国では年間約500〜600人のこどもがHib髄膜炎にかかっていると考えられています。死亡率は5%で、20%に何らかの後遺症を残すたちが悪い病気です。5歳未満のこどもが95%を占め、とくに0−1歳が70%以上と、小さなこどもほど危険度が高くなっています。
WHOは1998年に定期接種にこのワクチンを加えるよう勧告しており、今では世界の98カ国で定期接種として導入されているようです。日本ではやっと今年から任意接種ができるようになります。ただし、現時点で発売日は未定。
米国ではHibワクチンが導入されてからHibによる髄膜炎が激減し、5歳未満児10万人対の罹患率は1989年の34人から1995年の0.4人に減ったというデータがあります。CDCのホームページには、ワクチン導入以前には米国で1年間に5歳未満のこども2万人が重症のHib感染症にかかり、千人が死亡していたと書かれています。
日本で導入されることは歓迎すべきことですが、国民の皆さんの理解が得られるかどうかなど、まだまだ不透明です。いまのところ公費負担という話はありません。2〜6か月の乳児では4回接種する必要があり、計数万円と予測されているワクチンを、どれだけの人が希望するかもまた未知数です。
このワクチンを販売する第一三共株式会社が出しているワクチン・インフォメーションに、千葉大学名誉教授の上原すゞ子先生が「日本ではワクチンの副反応に対する社会的不信感が根強く、予防接種実現の大きな障害となってきた」と書かれています。日本のワクチン行政に不信感を持っているボクなど、たいへん示唆に富む言葉であると感心してしまいます。
冬に流行するウイルスのインフルエンザとはまったく別物ですので、おまちがえのないように。どうしてこんな紛らわしい名前がついているかというと、発見された当初はこの菌がインフルエンザの原因であると考えられたからです。
|