タミフルと異常行動の関連 2007.12.14

 わが国のインフルエンザ研究の第一人者であるけいゆう病院小児科の菅谷憲夫先生の講演をうかがいました。
 インフルエンザでタミフルを服用したあとにマンションなどから転落死した症例が報道され、2007年3月に厚労省は原則的に10代の患者へのタミフルの使用を禁じています。
 しかし、最近ではタミフルが原因であるというよりは、インフルエンザ自体の影響で異常行動が出るのではないかということを示すデータがそろいつつあります。それには以下のような報告があります。
1)    覚やせん妄などはもともと小児のインフルエンザで見られることが知られていた。
2)    タミフルを服用していない患者でも異常行動・飛び降りが見られる
3)    転落死した患者の脳組織中にはタミフルは検出されなかった
4)    インフルエンザ脳炎の患者の髄液中にタミフルは検出されなかった
5)    タミフルが使われるようになって転落死が増えたというデータはない
6)    タミフルが使われるようになって小児(1−4歳)で突然死が増えたというデータはない(むしろ半減している)

 異常行動はインフルエンザ発症後(発熱後)24時間以内に多く、48時間以内に全例起こしています。このことから、インフルエンザの小児患者はタミフルを服用しようとしまいと、2日間は厳重に観察するよう勧告されています。
 タミフルを服用しないから安心というわけではありません。また、タミフルと同じ系列の抗インフルエンザ薬であるリレンザは安心であるという保証もありません。実際、リレンザ使用例の飛び出し事故の報告もあります。
 インフルエンザの小児は、治療の内容に関わらす、2日間は厳重に観察してください。
 なお、この講演の内容は日本医事新報No.4360(2007年11月17日)の記載に準じています。