ジェネリック医薬品について

 最近「同じ成分、同じ効果で、8割から3割安い」などという、ジェネリック医薬品を薦めるCMがよく流されています。これがほんとうなら、医者はメーカー品にこだわらず、こういう安い薬を使うべきです。だって、有名芸能人たちのお墨付きなんですものね。
 ところが、この言葉にはほんとうとは言えない部分が大きく含まれているのです。
 新薬が開発されてしばらくは特許権が守られるのですが、これが切れると各社からジェネリック製品が一斉に発売されます。“ジェネリック”などという耳当たりのいい名称が広まったのはつい最近のことです。ボクたち医者はこれまで“ゾロ”と呼んでいました。「ぞろぞろ発売される二級品」という意味を含んでいます。そして、ゾロは効かないという教育を受けてきました。
 新規開発品(先発品)とジェネリック品(後発品)はどこが違うのでしょうか。
 たしかに含まれている主たる薬剤の化学構造は同じものです。しかし、薬にはその他に添加物などが含まれており、これは会社によって異なります。ですから「同じ成分」とは言えないのです。実際、大学病院などで成分を分析する試験を行うと、後発品には先発品にはない成分が混入していることがよくあります。
 効果はどうでしょう。先発品は臨床試験が行われますので、効果が確認されています。後発品にはこの臨床試験の義務はないので、行われていません。「同じ効果」かどうか、誰も確認していないということです。後発品に替えたら効かなくなったという報告も多くみられます。
 副作用に関しても同様なことが言えます。先発品に義務づけられている7種の毒性試験も後発品では免除されています。後発品の副作用は、市販されて使ってみなければわからないということです。後発品独自の副作用の報告もあります。しかも、後発品には市販後調査も義務づけられていません。
 このように、先発品と後発品は『似て非なるもの』と言うことができます。
 どうです? ちょっと不安になりますね。安ければいいというものではありません。後発品が安いのは、開発費もかからないし、先発品の開発時に行われる種々の試験が省かれているのだから、あたりまえなのです。品質まで考えて安いと言えるかどうか、かなりあやしいものです。

 後発品のすべてが質が悪いと言っているのではありません。ボクも実際に一部の後発品は使っています。でも、主たる薬剤はできるだけ先発品の方がよいと考えており、患者さんが後発品を希望される場合は、「効果、副作用は未知である」とお伝えして出すようにしています。その場合、薬剤師に相談して、すでに広く使われ問題のないと思われる薬を提供しています。値段だけでは決められません。