予防接種の変更

MRワクチン
 平成18年度から麻疹(はしか)と風疹(三日ばしか)の予防接種が2回になります。このコーナーで04年8月に書いたとおり、小児科医は前から要望してきたことで、それがやっと実現する運びになりました。

 ただしこれがまた厚労省が変な方針を打ち出していて、現場は困っています。

 麻疹、風疹はこれまでそれぞれ単独に接種していましたが、新たに混合ワクチン(MRワクチン)が作られ、今後はこれが中心に使われます。1期(1歳)、(5歳〜7歳未満)の2回接種されるのですが、すでに麻疹または風疹の単独ワクチンを接種した人は、この新MRワクチンを接種できないというお達しです。新しいワクチンなので、単独ワクチンを受けた人がこのワクチンを受けて予期せぬ副反応が起こらないとは限らない、すなわち「安全性が確立していない」というのがその理由です。新ワクチンと言っても、いままでのものをただ混ぜただけのものですから、従来のもの以上に副反応が出るとは考えられないというのが医学の常識なのです。前にも言いましたが、国は予防接種行政には弱腰で、何かあったら困るという立場をとっていますので、新しいものを導入するときにはかなり神経質になります。専門家の話では、安全性を確認する試験が行われるので、数年先には単独ワクチンを接種した人でも追加のMRワクチンを接種できるようになるだろうということです。

 また、麻疹も風疹もいままで90か月未満(7歳5か月まで)で受けられたので、2歳過ぎて麻疹、風疹のいずれかまたは両方をいけていない子がいます。この子たちには猶予期間を設けて単独ワクチンが接種できるよう、自治体ごとに検討されています。

日本脳炎ワクチン
 日本脳炎については、昨年の5月の騒動以来、国としては「中止ではないが勧奨しない」という立場をとっています。新年度には新しい製造法によるワクチンが開発・販売される予定だったのですが、今のところ予定が立たないというのが実状のようです。このままワクチンを打たない時期が長びけば、必ずや日本脳炎は再び流行するであろうと予測されています。多くの専門家は現行ワクチンを使って従来通り接種した方がよいと考えています。

 なお、これまで中学3年生で行われていた日本脳炎の3期の接種はなくなりました。これは“勧奨中止騒ぎと”は関係なく、以前から検討されていたことです。