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| 新型インフルエンザについて |
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けいゆう病院小児科・菅谷憲夫先生の講演より
新型インフルエンザはいつ出てもおかしくない状況にある。新型インフルエンザが発生する課程は以下の3つが考えられている。1)鳥とヒトのインフルエンザの交雑、2)鳥インフルエンザの突然変異、3)研究所からの漏洩。過去の新型インフルエンザの流行は1918年スペイン風邪(N1H1):突然変異、1957年アジア風邪(H2N2):遺伝子交雑、1968年香港風邪(H3N2):遺伝子交雑。
新型インフルエンザが出たら過去のデータから発病率15〜35%、死亡率0.6〜2%と考えられ、人口1億2000万人の日本では発病者3000万人(発病率25%として)、死亡者60万人(死亡率2%として)と推定される。
迅速診断キットの90%は日本で使われており、市場規模は日本200億円、第2位のアメリカは20億円で、他の国はほとんど使用されていない。抗ウイルス剤であるノイラミニダーゼ阻害剤(タミフルなど)の70〜80%は日本で使用され、アメリカは日本の5分の1から6分の1。欧米では「インフルエンザは家庭で治す病気」であると考えられており、日本との考え方の相違が数字に表れている。
現在のワクチンではまったく効果がない新型インフルエンザの対策は抗ウイルス剤しかない。タミフルの使用で死亡、入院とも半減することが期待できる。流行は6〜8週間続くと予測されるが、ワクチン開発には半年かかるので初回の流行時には間に合わない。
いま日本にあるタミフルは、流行時に治療用として流通する予定の製薬会社がもっている分だけであって、国として備蓄されているわけではない。日本には現在タミフルの国家備蓄はない。このため「タミフルは万能ではない、耐性株が出る、副作用がある」などの宣伝を政府はするだろう。
欧米ではふだんのインフルエンザの治療として使わず、新型インフルエンザが出たときのために国家備蓄を優先するという考えにある。国際的にタミフル争奪戦が起きている。日本でも治療用とは別に、3000万人分の国家備蓄をするべきである。
タミフル服用後に耐性ウイルスが出現することが知られている。この耐性ウイルスは増殖力が弱く、乳幼児の20%に出現するが耐性ウイルスが出ても再発熱や重症化はない、またこれが周囲に感染することはないとされており、臨床的には問題とならない。
鳥インフルエンザがヒトに感染する例が報告されているが、鳥インフルエンザはヒトインフルエンザとはまったく別の病気で、肺に感染して重症化するが、のどには出てこないので迅速診断キットで診断することはできない。新型インフルエンザが出た場合には通常のインフルエンザと同様の症状を示すが、誰も免疫を持っていないので、重症化するおそれが高い。
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