日本脳炎ワクチンで副反応

 従来から日本脳炎ワクチンとの関連が指摘されている急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という病気が、最近脚光を浴びています。わが国ではこれまで予防接種副反応報告で年間0〜4件報告されていましたが、平成15年度には6件と例年より多い報告があったからです。
 わが国では予防接種後に有害事象が起きた場合には、予防接種との因果関係が証明されていなくても、副反応としてあげるシステムになっています。ですから、報告された事例がすべて予防接種のせいというわけではありません。接種とは関係なく、たまたまその時期に発症した例、いわゆる紛れ込み例が含まれていると考えられています。
 たとえば接種後に熱が出た、これはワクチンによるものか、接種するときに病気の潜伏期にあってたまたま発症したのか、厳密には区別がつかないことが多いのです。
 日本脳炎ワクチンとADEMの関係も同じことが言えます。因果関係は明らかではありません。救済の立場から、否定できないものは認定することになっているのです。
  15年度の6例は使用したワクチンが特定のロットへの集積が見られないこと、仮に6例全部がワクチンによるものだとしても、発生頻度は70万接種に1回であり、接種と関係ない発症頻度の範囲内であることなどから、現時点では現行の日本脳炎ワクチン接種は継続することが妥当であると考えられています。
 ただし、因果関係が完全には否定できないいま、厚労省はより安全性の高いワクチンを作るようメーカーに求める方針を打ち出しているようです。国は副反応というものにたいへん敏感で、予防接種行政も義務から勧奨接種に後退しています。