●炭疽について

 アメリカでは9月11日のテロ事件のあと、CDCがいち早くバイオテロについて警告を発していました。そこには病原菌として天然痘、炭疽、ペスト、ボツリヌスが挙げられています。日本の狂牛病対策とは雲泥の差ですね。CDCのレポートから炭疽の部分を訳してみました。

 炭疽Anthraxとは炭疽菌Bacillus anthracisによる急性感染症である。動物の病気だが、人間にも感染しうる。潜伏期は通常1〜7日だが、時に60日にも及ぶ。人間の感染では吸入性炭疽、皮膚炭疽、消化管炭疽が重篤である。

 吸入性炭疽の初発症状はふつうのかぜ症状だが、数日後には呼吸困難やショック状態へと進展する。致死的なことが多い。

 消化管炭疽は炭疽菌に汚染された食物を摂取することによって起こり、消化管の炎症症状を呈する。はじめに吐き気、食欲不振、嘔吐、発熱があり、腹痛、血性嘔吐、重篤な下痢へと進む。

 人から人への直接の感染はきわめてまれ。したがって、同じ原因にさらされていなければ、患者と接触したからといって予防は必要ない。炭疽菌に暴露しても、抗生物質で予防できる。抗生物質は早期に投与することが必須で、遅れると生存の機会が減る。この菌はペニシリン、ドキシサイクリン、フルオロキノロンなどの抗生物質に感受性がある。