冬になると、赤ちゃんがゼーゼーする気管支炎が流行ります。これは細気管支炎や喘息性気管支炎と言われる状態で、主にRSウイルス(RSV)による病気です。
RSV感染症は冬に流行するウイルスによる病気の代表格で、とくに乳幼児で細気管支炎や肺炎などの重症な呼吸器感染症を引き起こします。RSVとはrespiratory syncytial virusの頭文字をとったもので、流行のピークは11月から1月です。
典型的な例では、軽い鼻かぜからはじまって、咳が出だして、間もなくゼーゼーして、重症になると呼吸困難に陥るという経過をたどります。赤ちゃんの場合には、鼻かぜと言っても安心できません。6か月未満はとくに要注意です。
乳幼児の細気管支炎の50〜90%、肺炎の約50%はこのRSVによると言われています。生後1年以内に50〜70%以上がこのウイルスに感染し、3歳までにすべての小児が感染するようです。RSVには何回も感染することがあるのですが、年長児では重症になることはあまりありません。上の子が軽いかぜ症状ですんでしまうのに、赤ちゃんだけ重症になって入院してしまうなどということがよくあります。アメリカではこの病気で年間7.5万人から12.5万人が入院すると報告されています。
RSV感染症はその後の気管支喘息(小児喘息)の発症と密接な関係があることがわかっています。ただし、原因なのか、もともと喘息になる体質の子がRSV細気管支炎になりやすいのか、まだ結論は得られていません。
診断はインフルエンザと同じように、抗原検出用迅速診断キットを使って行います。ですが、入院患者でないと検査料が請求できないというおかしな扱いになっているので、外来ではなかなか検査しづらいのが実状です。
なお、細気管支炎を起こす原因ウイルスとして、RSV以外にはパラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルスなどが挙げられています。
2007.12.14 |