■ヘルパンギー

手足口病と同じ、エンテロウイルス感染症の一種です。突然の熱とのどの痛みで発症します。のどを見ると真っ赤で、しばらくするとのどの奥に赤い小さな斑点ができて、だんだん大きくなり水疱になってきます。熱の出はじめに典型的な水疱になっていることは少ないので、初日には診断がつかないことがよくあり、細菌性の咽頭炎との区別が困難です。典型的でないときには、「確実にはわからないけど、まわりで流行っているからかなり可能性が高い」とお話します。熱は2,3日で下がりますが、のどの痛みがしばらく続きます。原因はコクサッキーウイルスA群が多いのですが、B群やエコーウイルスでも起こります。

  手足口病とは口の中の疹が見た目にちがうし、手足口病の場合にはのどの奥だけでなく、ほっぺの裏側や舌、唇にも出るので区別しやすいのですが、中には手足口病かヘルパンギーナか迷うような例もあります。どちらも根は同じできょうだいみたいな病気ですし、いずれにしろ抗生物質はいらず経過観察するだけですから、はっきりしない場合にはどちらの診断をつけようと大差ないと思ってください。
エンテロウイルスとは
エンテロウイルスの仲間にはコクサッキーウイルスA群、B群、エコーウイルス、その他のエンテロウイルスがあります。しかも、それぞれがさらにいくつもに細分化されています(専門的には血清型というのですが)。手足口病のところで書いたA16とか71とかの番号であらわされます。

 エンテロウイルスによる感染症は手足口病やヘルパンギーナだけではありません。 ただの発熱だけのものから、かぜ症状を伴うもの、風疹や突発性発疹のような発疹を出すもの、下痢症、髄膜炎や脳炎、ポリオのように麻痺をきたすもの、心筋炎、筋炎など多彩です。ある症状、ある病気を起こしやすいウイルスの種類や型というのもあるし、同じウイルスの感染でもちがう症状を呈します。患者の年齢、性別、免疫状態などによって症状の出方が変わると考えられています。ただし、上に述べた症状や病気がエンテロウイルスによって起こっているかどうか、どのタイプによるものかは診察しただけではわかりません。確定診断のためにはウイルスの検索が必要ですが、通常は行いません。